KEIICHIRO SHIBUYA _ 渋谷慶一郎氏への質問状

  • par C.EM
  • juillet 2, 2014

_ 渋谷慶一郎氏への質問状

Keiichiro Shibuya, Interview, Tokyo, Paris,photo credit Kenshu Shintsubo

 

1/パリのパレ・ド・トーキョーにおける杉本博司氏の個展オープニングのための

「コンサート・プロジェクション」製作の過程についてご説明いただけますか

 

杉本さんが劇場の映像バージョンを先に制作して、その映像に対して作曲しました。

映像のMov dataを音というかノイズに変換したものを作り、それが通奏低音のように

曲の全体を通じて鳴っています。杉本さんのアイディアでオリヴィエ・メシアンの

「世の終わりのための四重奏曲」からいくつかの和音が引用されています。

 

2/ テクノロジーはますます存在感を示しています ご自身の作品においてはテクノロジーをどのように活用していらっしゃるのでしょうか

 

音色を作ること。作曲すること。曲を編集すること。全てにです。

ピアノを弾くときにもコンピュータで音色を作っていることの影響はあります。

 

3/ あなたが企画を立てるとき その企画と 古典音楽の楽器やテクノロジーとのバランスとは何でしょう そしてそれはどのように進化するのでしょう

 

バランスを取る必要はありません。

ある音楽が浮かんだときに既に、楽器かコンピュータかといった使うメディアは決まっています。個人的にはピアノとコンピュータをミックスするのはすごく難しいと思います。

同時にそれが今の自分のスタイルだという気持ちもあります。

2014年10月にシャトレ座でのソロコンサートではその最も進化したかたちが出来ればと思っています。

 

4/ テクノロジーによって 音楽やデザイン 現代美術の繋がりはますます明白になっていますが このことについてどう思われますか また ご自身の作品においては この繋がりをどのように定義されますか

 

その繋がりが指すものはテクノロジーの小型化、つまりパーソナルテクノロジーということだ

と思うのですが、それ自体は新しい概念、出来事ではありません。

ただ、それによって音楽家ではない人間、例えば美術家が音楽の原理とは別のビジュアルな原

理で音楽を作ることが一般的になったのはすごく大きな転換だったと思います。

僕はインスタレーションも作りますが、実際の音の有無はともかくとして音が発想やコンセプ

トの元になっています。なので音、聴覚からビジュアルを見ていますし、発想します。

そして環境をコンポジションする、という意識が強いです。

作曲という意識でビジュアルを含んだものを作る、というアーティストはそれほど多くない

です。

同時にこれは僕の特徴でもあるので、美術的な活動をするときほど自分が音楽家であることを

強く意識します。

 

5/ 2013年のオペラ「THE END」は これらの分野と結合している最も代表的な作品と言えるのでしょうか

 

あの作品はオペラを人間を使わないで作ったらどうなるか、というのが最初のコンセプトです。

なので現代美術的なアプローチは特に意識していません。あくまでも音楽内の発想で作ってい

ます。しかし、古典的な意味でのハーモニーは限りなくシンプルで音色の層は限りなく複雑に

なっています。

同時にあのオペラには1ページも楽譜がありません。

全て最初からコンピュータにプログラミングしていったのです。

そういう意味ではあれはテクノロジーがなければ出来なかったオペラだったと思います。

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